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全国菓子博 電動車いす拒否問題その後の展開

全国菓子博 電動車いす拒否問題その後の展開_c0167961_8202435.jpg全国菓子博 電動車いす拒否問題その後の展開_c0167961_8221297.jpg◉ひろしま菓子博の電動車いす入場拒否問題のその後の取り組みについて
マスコミは「問題は解決した」ような報道をしていますが、実行委員会の電動車いすへの基本的な
認識は全く変わっておらず「電動車いすは他の人に対して危険、危機対応できない、車いす使用者
には介助が付かなければならない」というような誤った理解が直らない限り、
問題解決は望めないでしょう。

また、意見を実行委員会が聞いている身体障害者団体の会長が、車いすのことを全く知らないのに
建前だけを述べ
「素早く対応してくれてありがとう、多くの車いす利用者が感謝している」といったコメントを
出したりして「障害者団体の承認を得ているのでこれ以上の対応は必要ない」と実行委員会を
強気にさせていることも問題です。
行政がらみの委員会では宛職の障害者団体役員がこのように利用されることがよくありますので、
きちんと監視し異議申し立てをすることが大切です。

なお、滋賀県の「CILだんない」の頼尊さんは次のように行動を呼びかけています。
「全国の電動車イスのみなさん、ひろしまお菓子博に入場しに行きましょう!そして、
電動車イスが危なく無いこと、どれだけ私たちの足として大切か、アピールしよう」


広島の障害者生活支援センター・てごーす事務局の松尾さんから以下の報告がありましたので転載します。

<1>
昨日(4月22日)の、ひろしま菓子博2013(第26回ぜんこく菓子大博覧会)実行委員会に対する、緊急抗議行動について報告します。
 この行動は、昨日、元々当センターに別件で来局予定だった、CILおのみち代表の小林勝さん、人権擁護担当者の松本孝信さんと、当センターの川本澄枝事務局長が話し合い、急遽実行することになりました。
 午後3時過ぎ、上記の3人に、当センター事務局員や3人の介護スタッフの計5人で、菓子博実行委員会事務局がある、広島商工会議所7階へ、アポなし直撃。ここは、菓子博会場の旧広島市民球場跡地に隣接しています。 
 事務局の部屋に入ると、女性職員が、ちょうど電話応対中。聞こえてくる声から察するに、どうやら今回の電動車いす問題への抗議電話のようでした。この件が大きな話題になっていることを、改めて実感させられました。
 まず、応対した実行委員会事務局 実施本部 総務 企画総括部長の箱田安正さんに、川本が訪問の目的を告げ、以下のような抗議文を手渡しました。

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                                  2013年4月22日
                         抗議文

第26回全国菓子大博覧会・広島 実行委員会 様

                              障害者生活支援センター・てごーす
                              自立生活支援センターおのみち    
                               連絡先 広島市西区小河内町2−7−5 
          TEL 082-294-4185 FAX 082-294-4184
      E-MAIL tego-s@nifty.com 

 私たちは、すべての障害者の自立と差別のない社会づくりに向けて日々活動をしている団体です。

 現在開催されている「ひろしま菓子博2013」において、電動車いす使用者に対して入場を拒否したり様々な条件を付けるという差別行為が行われていることに対し、厳重に抗議するとともに、直ちに撤回することを求めます。

 電動車いす使用者だけに対して利用にあたって条件をつけることは、障害者基本法に規定されている障害に基づく差別に他ならず、ユニバーサルデザインをめざす現在の社会の流れに明確に反しています。

 また、報道によれば、「平日に限って受け入れる」、「休日は手動車いすへの乗換えを求める」、「乗換えが難しい障害者には予約を求める」等の「改善」措置がとられ、それに対して広島県の一部部局が容認したと伝えられていますが、問題のすり替えであり、差別の解消にはなっていません。実行委員会がいくつか理由を挙げていますが、障害に基づく差別であることをいっそう明らかにする以上のものではありません。

 以上を踏まえて、電動車いす使用者だけに求めるすべての異なる扱いを直ちに撤回し、すべての電動車いす使用者をはじめとした障害者への謝罪をすることを求めます。また、後日改めて公開質問状を提出するので、誠実な回答を求めます。(以上)
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 実行委員会側の主張は、概ね、次のとおり。

・電動車いすから手動車いすに移動できない方、移動すればかえって危険となる方がいるという認識がなかったことは、反省している。申し訳なかった。おわびの文面を各入場ゲートに掲示した。
・その反省をふまえ、障害者団体(広島県身体障害者団体連合会、広島市身体障害者団体連合会)からの指導・助言を受けた上で、改善措置を決定し、発表した。
・今回の改善措置は、電動車いす使用者を含め、全ての来場者により快適・安全に菓子博を楽しんでいただくためのものであり、決して電動車いす使用者を差別したり、拒否したりしようとするものではない。事前連絡は、より一人一人に合った対応をするためにお願いしている。
・平日・休日を問わず、いつでも来場していただいて構わない(現に21日も22日にも事前連絡なしに電動車いすユーザーが来場し、問題なく楽しんでいただいた)。

 これに対し、私たちは、
・今回の実行委員会の入場制限は、前代未聞の障害者差別事件であり、広島のイメージを著しく貶める愚行である。
・私たちは、特別扱いを求めているわけではない。他の来場者と対等に扱えと言っているだけ。いらぬお節介は不要。
・21日に公表された改善措置は、「混雑時は、電動車いす使用者は手動車いすに移乗する」という基本姿勢は変わっておらず、しかも、移乗不可能な電動車いす使用者には、詳細な情報を含めた事前連絡を要求しているもので、悪質な「差別の上塗り」に過ぎず、根本的な解決になっていない。
・事前連絡なしにいつ来場してもいいのなら、その旨告知すべき。21日の内容では「事前連絡しないと入場できない」としか受け取れない。実行委員会側でのサポートを希望する障害者にのみ、事前連絡を求めれば事足りるのではないか。
・5月12日の最終日まで日数は限られており、今週末からはゴールデンウイーク。速やかに電動車いす使用者に対する一切の制限を撤回し、その旨をホームページやマスメデイア等を通じて広く告知することを強く求める。

と、抗議・反論し、要求しました。

 実行委員側は、「今日お聞かせいただいた内容を参考に、早急に検討し、連絡します」と約束。1時間余りにわたる緊急抗議行動は終了となりました。

 実行委員会事務局職員は、「障害者を差別する意図はさらさらなく、より安全・快適に楽しんでいただくために考えたことなので、理解してほしい」という、差別行為を行った事業者が必ずといっていいほど用いる、見苦しい弁解を再三繰り返していましたが、私たちは、今回の件を実行委員会側が「差別的取扱い」と認め、謝罪するよう、今後も追及していく所存です。

 私たちが今回要求した、入場制限撤廃については、一両日中に何らかの回答があるものと思われますので、また報告します。

 それにしても、この日、初めて菓子博入場制限問題のことを知ったという松本孝信さんは、「わしゃ菓子博には全然興味ないけど、そりゃ許せん」と、同行してくれたのですが、さすがは往年の…いや、まだまだ現役の「青い芝の会」の活動家。実行委員会事務局職員をするどく追及する「松本節」には、うなりました。
 例えば、「あんたら、(事前連絡等について)ご協力をお願いしますいうとるけどな、わしら協力できひんいうて来とるんじゃ。協力できんいうとるもんに、協力せえいうんは、おかしいやろが!」
 これには、実行委員会側がぐうの音も出ず、痛快でした。
 しかし、これが「全国菓子博」ではなく、「全国酒博」だったら、もっと松本さんは燃えるやろなー、と思った次第。


<2>
【速報】菓子博実行委員会が、事前連絡撤回を拒否!

 障害者生活支援センター・てごーす事務局の松尾です。

 ひろしま菓子博2013(第26回全国菓子大博覧会)における電動車いす入場制限問題に対し、昨日、緊急抗議行動を行ったことを報告しましたが、今日午後になっても何の回答もないため、当センター川本事務局長が、実行委員会に電話で問い合わせたところ、応対した、実行委員会事務局 総務課長の河野英夫さんは「検討したが、今後もこのままで変更しないことになった」と即答。「そう決まったのならなぜすぐ連絡しないのか?」と抗議すると「今日も突然来られた電動車いすのお客様の対応に追われ、時間がなかった」と、平然と言い放ちました。

 変更しないことになった理由は、 
   
「実際には事前連絡なしに来られても対応しているので、それで理解していただきたい。21日に公表した(介護福祉士等の配置、事前連絡制などの)改善措置は、障害者団体等との協議を経たもので、コロコロ変えるのも問題があるので、そのままにしたい」とのことでした。

 もちろん、このような私たちを愚弄する対応は、許すことはできません。
 早急に県内のCILで連携し、さらなる抗議行動を検討します。
 
 みなさまも、引き続きご協力をお願いします。

<3>
てごーすの松尾です。 

 昨夕、広島テレビ(日本テレビ系列)のローカル番組「テレビ派」内のニュースで報じられた、ひろしま菓子博電動車いす制限問題。やはり「全面可能」との誤報を垂れ流し。すぐに異議申し立てのコメントを送りました。
●「菓子博」電動車いすの乗り入れ全面可能に | NNNニュース (動画あり)
http://p.tl/C1jO
「ひろしま菓子博」で電動車いすの乗り入れが拒否され、その後、利用者からの抗議で全面乗り入れ可能となった。利用者らは、電動車いすへの理解を求めている。来場者との衝突などを避けるため電動車いすの利用者には手動の車いすへの乗り換えを要請していた。
※意見はこちらへ!
情報募集中|テレビ派|広テレ!Web
http://p.tl/PzFp

4
一木 玲子さんのコメント

電動車いすはその人の足だということ、きっとその人と日常的な付き合いがなければ分からない。
分離教育制度はその片棒をしっかりと担いでいる。存在に対する無知は恐れとなる。恐れは偏見を生み、差別行為を誘発する。
全国菓子博が電動車いすを排除する理由と、障害児を普通学校から排除する理由は似ている。
「周りの人の安全のため」(周りの子どもの教育を受ける権利を守るため)
「非常時に安全を守れないため」「平日の人が少ない時は入場可能」(しっかり計画してある交流教育ならばいいよ)・・。
さて、その心は?
by yamana-4 | 2013-04-24 08:24 | バリアフリー
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