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阪神なんば線開業前試乗チェック(1)

◉3月20日阪神電車と近鉄電車が相互乗り入れする「阪神なんば線」が開業します。それに先立ち阪神電鉄は3月13日に大掛かりな開業前試乗を行い、参加することができました。以下試乗点検レポートです。
試乗は「九条」〜「ドーム前」〜「桜川」間で行われ、乗降できたのは九条駅と桜川駅のみ、このレポートはその間限定です。
最大の関心事はホームと車両の段差解消ができていて「携帯スロープ介助なしに車いすが乗降できるか」でした。これは残念ながら難しかった! ホームがカーブしていて路盤の傾斜があり、段差が少なくても隙間を大きくしたり、段差を高めたりしていたからです。ドーム前駅(試乗では停車せず)だけは直線なので可能かも分かりません。
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新しく進んでいる点は
1、原則的に複数のエレベータ(15人乗り)が設置され、地下鉄「桜川 ・ドー ム前」は地下鉄と連絡通路が設置され、地下鉄エレベータも使える。
2、桜川駅は交差点の4角に4基のエレベータを設置、これは国内初?また、ガラス外装でエレベータと視認し易い。
3、多機能トイレはフル装備のオストメイト、湯が使え便器はウォッシュレット、左右対称配置で2室併設。(TOTO)
一般用トイレに子供用小便器を設置。
4、ホームの待ち合い椅子が固いベンチでなかった。
残念だった点は
1、段差隙間解消ができず車いすの自力乗降がムリ。
2、サインの文字が細く小さい、ピクトは小さ過ぎる、基調色のブルーが少し淡いのも視認性が良くない。特に料金表示は路線が広がった分、文字が小さくなって読み難い。
3、券売機の液晶パネルの角度が立った人用の傾斜になっていて、普通形車いすの目線からは読めないのではないか?
4、一般トイレの便房に幅広ドアの広い部屋のものがない。
5、トイレやエレベータに音声誘導がなく、点字ブロック施設に一部疑問個所も。
最近の新線開業では各社それぞれ一長一短があり、特徴を簡単に挙げれば
副都心線:駅舎デザインの斬新さ、画期的なサイン計画、3社相互乗り入れ
京阪中之島線:大型エレベータ、音声誘導、普通便房の幅広ドアと広さ
阪神なんば線:複数エレベータと地下鉄連絡通路、近鉄との相互乗り入れ

相互乗り入れでは大々的に行われている首都圏に比べ関西では遅れていて、大阪市営地下鉄堺筋線と阪急、同中央線と近鉄、阪神と山陽などが主な路線であったが、今回の阪神と近鉄の相互乗り入れは、直通で神戸市内から近鉄奈良までを1時間半以内に短縮し、大阪みなみを通過する点で波及効果が大きいと期待できる。
乗換えをすれば姫路〜名古屋・伊勢方面、なんばから南海、日本橋から阪急ともつながり、関西の私鉄とJRの競争は一層激しくなる様相でしょうか。
(以下次のページに写真)

◉神戸「三宮駅」はエレベータがなく(設置工事中)エスカル設置ですが、ハンドル形電動車いすは利用拒否されている問題について
せっかく便利になっても三宮駅の乗降ができなくては利用できない。次の「元町駅」にもエレベータがなく阪神電車では神戸に行けない状態になっているのは残念。他の鉄道事業者でも、エスカル利用をハンドル形はダメと断る例が時々あり、理由がない乗車拒否になっている。阪神電鉄はあまりよく考えずに「ハンドル形電動車いすは利用不可」としていたようで、今回のチェックに同行した係員の方に、その点の善処もお願いしました。
早急に利用OKにすることを期待しています。
by yamana-4 | 2009-03-14 14:40 | 鉄道新線・新型車輌点検
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