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乗車拒否トラブルでJR東海がハンドル形電動車いすを損害賠償で訴えた件の判決

◉結果は「敗訴」!
しかし判決理由に「新幹線の乗車が可能とされることが望ましい」との注目すべき判断が
示されていたので「控訴せず確定」することとなった。
<判決報告>F氏(被告)へのJR東海及び新横浜M駅員(原告)の損害賠償等請求事件裁判

(判決言い渡し1月28日、横浜地裁)

JR東海の新横浜駅でのハンドル形電動車いすの乗車拒否に絡み、「車いすがぶつかり怪我をさせられた」と
JR側から損害賠償請求がなされた事件について、本年1月28日、判決がありました。
裁判では、衝突の事実を争い、また、ハンドル形電動車いすの乗車拒否の違法性について争いましたが、
判決は、衝突の事実を認めた上で、JR側の請求する慰謝料を1/3に減額しました。
その上で、判決は次のように判示しました。

「確かに、JR東海は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることは
望ましいことは論を待たない。」
「被告は、品川駅から新横浜駅に来る際には新幹線を利用することができており、被告が再び品川駅に戻る際に
新幹線を利用できると考えたことにも理由があるのであって、被告が本件行為に及んだ原因の一つに原告会社の
一貫しない対応もあったといえること、JR東海は公共性の高い交通機関であるから、
本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることが望ましい等の事情を総合考慮すれば、
原告駅員に対する慰謝料としては…万円の限度で認めるのが相当である。」


訴えられたFさんは、控訴をするか最後まで悩みましたが、ハンドル形電動車いすの乗車拒否については別の裁判で
大きく問題提起するのが妥当と考え、今後の運動に上記の判示が少しでも役に立てばと全体の利益を優先し、
敢えて控訴をしませんでした。
関係者は「今後、ハンドル形電動車いすの乗車拒否の違法性を問う裁判の提起を検討していますので、
その際はぜひともご支援くださいますようお願いいたします。」とコメントしています。

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★事件の概要と申立
 平成18年10月15日、品川駅から新横浜駅へ新幹線乗車をしての帰途「ハンドル形電動車いす」は
 扱えないと乗車拒否され、長時間にわたるトラブルの中で、電動車いすによる衝突によって
 M駅員が負傷した事件への「治療費及び慰謝料」を払え。またJR東海が支払った「超過勤務手当と
 療養手当」を補償せよ、という合計38万円弱の支払い要求であった。
(なお、この乗車は当日行われた「東京実行委員会の交通行動」による乗り込みで、新幹線乗車は
 ハンドル形電動車いすのF氏とジョイステック形電動車いすのI氏の車いす2台、介助者各1名
 同行新聞記者1名が参加していた)

★判決理由の注目点
裁判所の判断は衝突したことを認定した上で、違法性阻却と過失相殺については、
「なお被告は、原告会社が本件車いすによる新幹線への乗車を拒否するという人権侵害行為を行ったことに対する
対抗措置として本件行為に及んだのであり、違法性阻却事由又は過失相殺の対象になる等と主張し、確かに、
原告会社は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることは望ましいことは
論を待たないが、そのことから当然に、故意による物理力の行使である本件行為が許されるものではないから、
その違法性が阻却されたり、過失相殺がされるものではない。
その点については、慰謝料を算定するに際し考慮すれば足りる。」とし、
慰謝料の算定事由の中で
「また、上記のとおり、本件行為が被告の故意による物理力の行使であるものの、上記前提事実のとおり、被告は、
品川駅から新横浜駅に来る際には新幹線を利用することができており、被告が再び品川駅に戻る際に新幹線を利用できる
と考えたことにも理由があるのであって、被告が本件行為に及んだ原因の一つに原告会社の一貫しない対応もあったと
いえること、原告会社は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることが
望ましい等の事情を総合考慮すれば、、、、、」と判示している。

要するに「新幹線乗車が可能なことが望ましいことは論を待たない。従って被告の行動は一定の理由がある」
慰謝料を1/3に減額したことに、敗訴はしたが判決を受け入れた理由があります!

★ハンドル形電動車いすに関わる記載は、下記アンダーバーの「ハンドル形電動車いす」をクリックしてご覧ください。
by yamana-4 | 2011-02-17 06:08 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

「ジュンさん新幹線乗車拒否問題」英字紙に掲載

「ハンドル形電動車いす(英語でmobility scooterという)の鉄道利用(特に新幹線)は
厳しく制限されており、JRも国交省も問題意識なし。利用者数は年々増えているのに。」

(The Japan Times Tomoko Otake記者)
Thursday, Feb. 3, 2011
「Scooter regulations on Japan's railways face harsh criticism from the mobility challenged」
Japan's design and technology industry is often said to be suffering from
the "Galapagos syndrome"; meaning, like the Galapagos Islands,
which are known for vast numbers of endemic species, its focus is far too insular.
全文は下記ウェブ版をご覧ください。
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fs20110203a7.html

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Masaru Yamana (left), mobility scooter user,
and June Isaacson Kailes,
associate director of the Center for Disability
and Health Policy
at the Western University of Health Sciences
in San Francisco,
explain why tough regulations for scooters
on trains makes travel in Japan virtually impossible
for people like them.
by yamana-4 | 2011-02-03 15:35 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(4)