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歩行困難者への新しい移動機器と二ーズ

◉パーソナルモビリティーへの期待と課題
第24回リハ工学カンファレンス「当事者セッション=私流環境デザイン」発表要旨

8月28日11:20~12:20、国立リハA会場(学院1Fホール)
8月26〜28日、国立リハセンター(所沢)で行われる日本リハビリテーション工学協会のカンファレンスで、日頃考えている「移動機器」に関する発表を行います。発表内容要旨を先立って掲載しますので、ご意見ご批判をお寄せください。
c0167961_1520968.jpgc0167961_15205189.jpgc0167961_23503538.jpgc0167961_15212180.jpgc0167961_15213931.jpgc0167961_15215329.jpgc0167961_15221099.jpgc0167961_15222333.jpgc0167961_15223840.jpgc0167961_1523066.jpgc0167961_15231728.jpg1、はじめに
 障害や高齢の歩行困難者の移動手段は、やや選択の幅が広がって来たが、重度障害者への車いすなどに比べ多様とは言えない。比較的障害度の軽い障害者や齢者の移動機器はそれほど考えられていなかったのではないだろうか。
最近の動向を踏まえ当事者の観点から問題点を整理し、新しい概念の移動機器の必要性について私見を述べたい。

2、移動の方法と範囲
a.介助者なし自律的移動。
b.自宅から目的地まで
 の移動と目的地での
 移動(屋内も支障な
 く使えること)両立。
c.長距離移動は公共交
 通機関を利用。

3、現状の移動機器と問題点
 市販国産電動車いすで、移動機器の性格が強いのはハンドル形であろうが、車的特化に偏り過ぎていて問題が多い。ハンドル形鉄道乗車制度や特定製品指定騒動など多くの問題を抱えてきたが、反面、議論を深め問題点を明らかにしてた。JIS規格もハンドル形電動車いすが独立した項目として改正されることとなった。
 移動の形態は公共交通と組み合わせて行う都市型移動と、過疎地や郊外での車的な自律移動とは必要な機能が異なるので、ハンドル形電動車いすだけではく、それぞれに特化した製品の開発を促進すべきであろう。

都市型:回転半径が小さく
      前進後進切替がスムース、
      保管場所狭くてもOK、小型で機能的、
      車いす的使用

郊外型:走行距離長い、
      免許返上者への代替え機器、     
      道路走行時の時速6キロの壁 
      車的使用

4、新しい概念の移動機器と可能性
 車いすにとらわれないパーソナルモビリティ機器が発表され検証実験が行わているが、開発段階では特定の用途に限定せず可能性を広げ汎用品として使えることを目指してほしい。
a.車いす発展型(OX.TESS)
b.ハンドル形電動車いすの改良型
c.移動支援ロボット型(Winglet.Mobiro)
d.新らしい移動機器(i-REAL.SEGWAY)
e.電動アシスト自転車発展型(ヤマハ)
車いす、自転車、車などの枠を超えた新しい移動機器の可能性に期待したい。
特に二輪走行機器はこれまで無かった機能的な車いすとしての可能性を感じる。

5、新しい移動機器の開発を妨げるもの
a.自由な自律移動を過度な安全要求が妨げる
b.電動移動機器が残存機能維持を弱めるとの誤解
c.リハビリ優先主義、医療関係者の無理解
d.法と制度
 道交法が車いすを規定する唯一の法律だが、新しい移動機器の出現を全く想していないので新製品の道路走行が難しい。また、ハンドル形電動車いすなどはJIS規格の安全試験が厳しく、国内メーカーは機能的な製品開発に取組み難いなど、問題が多い。

6、移動環境整備の成果を使える機器と意識改革
 高齢者と障害者のニーズの違いはそれほど大きくない。介護保険レンタルのシニアカーの鉄道乗車が障害者と同じ条件で認められたのは、バリアフリー法による整備が進んだ成果とも言えるが、前述の法整備と併せて移動機器利用に対する意識も進めることが必要であろう。
電動使用自律移動が介護コストを下げるとの研究もあり、使い易い移動機器の充実が待たれ、ニーズに合った選択肢が増えることを願う。


◉機器利用の福祉予算に及ぼす効果の試算
電動車いすが介護費用に及ぼす影響
 電動車いす利用コスト 2201円/週
利用しない場合に生じる介護コスト 50811円/週
<東京大学先端研、中邑・奥村 (0007)>

◉参考文献
 may.2009 vol.24 no.2
 日本リハビリテーション工学協会誌
 交通バリアフリーの現状と将来
  鎌田 実
近距離移動をサポートするロボット
 山岡 正明

by yamana-4 | 2009-08-09 15:29 | 集会.発表.学会.展示会 | Trackback | Comments(0)