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ハンドル形電動車椅子、乗車制限  鉄道、厳しい基準 東京五輪で国交省見直しへ

◉ともに・2020バリアーゼロ社会へ 毎日新聞2017年1月13日 東京朝刊
 鉄道の自由な利用が認められていない人がいる。ハンドル型電動車椅子を使う障害者らだ。
国内には推計で約8万5900台あるが、電車利用には一定の制限があり、新幹線や特急に乗れる
のは性能の基準を満たす証明がある数十台しかない。訪日外国人は無条件に使えない
などのルールもある。国土交通省は「このままでは東京五輪・パラリンピックを迎えられない」
と見直しの検討を始めた。
 2013年、仕事のためハンドル型車椅子で来日した米国人女性は、成田空港から京成電鉄の特急
「スカイライナー」に乗ろうと事前申請したが認められず、在来線を乗り継いで東京に着いた。
新幹線にも乗れず関西での会議出席も諦めた。08年に来日した際はJR東日本の「成田エクスプレ
ス」でも同じような対応をされたという。
 女性を支援したDPI(障害者インターナショナル)日本会議のバリアフリー担当顧問で、
自らもハンドル型を使う今西正義さん(67)は「移動の権利を認めないと国際問題になる。
海外からの相談でこのルールを伝えると、渡航を諦めた人もいた」と憤る。
 なぜ、こういう事態が起きるのか。04年、JR東海がハンドル型車椅子の利用を一律に認めて
いなかったことに対し、法務省人権擁護局が改善を勧告したことがある。これを受けて鉄道各社は
利用を認めるルールを整備したが、この時にJRや大手私鉄の大半は、障害者総合支援法などで
「補装具」として必要性を認定され、購入費支給や貸与を受けている人に限って利用を認めた。
その結果、補装具の証明書を持っていない訪日外国人は対象外になった。
 証明書を持つ日本人にも不便がある。新幹線などのデッキ付き車両は「乗降の時に混乱する」
として、方向転換に必要な面積などに厳格な基準がある一般社団法人、日本福祉用具評価センター
(JASPEC、神戸市)の試験をクリアした機種しか利用できない。
国内には100近い機種があるが、クリアしたのはわずか5種類で、基準適合を証明するステッカー
の発行実績は12年以降で51台しかない。大半のメーカーは、試験を受けてもいないという。
 さらに、ハンドル型は基本的に、新幹線では1部屋しかない多目的室への乗車を求められるため、
ハンドル型を使う友人同士で同じ車両に乗れない。
 JR東海は「ハンドル型は大きいものが多く、他の乗客との接触や、ホーム転落などの恐れがある」
と制限の必要性を説明する。
だがハンドル型利用者で、大阪市中央区の身体障害者相談員を務める山名勝さん(74)は「全国を
鉄道で旅したが、公式には制限していても駅員によってはノーチェックで乗せていた。物理的に乗車
できるのは明らかで、制限する合理的理由がない」と指摘する。
 DPIの今西さんは「海外では車椅子の種類で区別されることはない。ハンドル型に特化したルー
ルが必要なのか、根本的に見直すべきだ」と訴える。【黒田阿紗子】

ハンドル型電動車椅子への
主な鉄道会社の対応 
<条件なく利用可>西武、都営地下鉄、大阪市など
7市の公営鉄道
<補装具給付者に限定>JR各社、小田急、京王、京成、
京急、相鉄、東急、東京メトロ、東武、
名鉄、近鉄、京阪、南海、阪急、阪神、西鉄
※「らくらくおでかけネット」のホームページから抜粋。
神戸市交通局は「歩行困難な人など」の独自規定

■ことば
ハンドル型電動車椅子
 シニアカーとも呼ばれ、主に下半身などが不自由な高齢者が使用している。小型スクーターのような形だが、幅70センチ、長さ120センチ、時速6キロ以下などの仕様なら道路交通法で歩行者と扱われる。

ハンドル型電動車椅子を使う山名さん(中央)。
小型なので幅の狭い自動改札も通れ、前側に遮るものがない通常の車椅子より安心して乗れるという
=JR新大阪駅で
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by yamana-4 | 2017-01-13 04:36 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

「ハンドル形電動車椅子の公共交通等利用等に関する調査研究」第1回検討委員会

◉11月18日国交省おいて標記の検討委員会が開催され、
懸案のハンドル形電動車いすの利用を緩和するための検討が始まりました。
2006年の検討委員会当時とは、権利条約や差別解消法など社会的・法制度的環境が異なり、
方向性としては、外国人が一切利用できないことや障害者の利用も制限的なことを改めること
については、鎌田委員長もあまり異存の無いところのようですが、このところ自動車事故が続発の
高齢者の利用については、一定の条件を科する必要があるか?などが問題になるところです。
また、利用制限の原因になっている車内にスペースを設置していないことに関しては、
同時に行われているガイドライン検討委員会に、連携を取りながら任すという方向になりました。

「ハンドル形電動車椅子の公共交通利用等に関する調査検討委員会の設置」(委員会資料)
1.背景
ハンドル形電動車椅子の公共交通利用については、同車椅子が日常の移動手段として必須
なものとなった障害者等が他の車椅子と同様に公共交通機関を利用できるようにするため、
平成14 年度及び平成19 年度に調査研究委員会を設置して検討を進め、ハンドル形電動車
椅子の鉄道車両の利用にあたっての要件を取りまとめたところである。
しかしながら、前回調査より約8年が経過し、その間、高齢化の進展、障害者数の増加に
加え、障害者権利条約の批准に向けた国内関係法令の整備、訪日外国人数の著しい増加など、
ハンドル形電動車椅子を取り巻く環境は大きく変化しており、「ユニバーサルデザイン
2020 中間取りまとめ※))」においても、「ハンドル形電動車椅子の鉄道車両等への乗車要件
の見直しを検討する」こととされたところである。
こうした状況を踏まえ、今般、ハンドル形電動車椅子による公共交通利用の際の要件の見
直しについて検討を行う調査検討委員会を設置し、検討を行うこととした。
※)平成28 年8月2日 ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議決定
2.委員会構成(資料1参照)
○ 構成員:学識経験者、障害者団体等、公共交通事業者及び関係団体、関係省庁
国土交通省関係課 等
○ 事務局:国土交通省 総合政策局 安心生活政策課、社会システム(株)
3.検討内容
○ 利用者に関する要件の見直し
○ ハンドル形電動車椅子に関する要件の見直し 等
4.スケジュール(5.検討のフロー参照)
○ 委員会は3 回(11 月18 日、平成29 年2 月中~下旬、3 月上~中旬)

・委員名簿
(敬称略、順不同)
鎌田 実 東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻 教授
秋山 哲男 中央大学研究開発機構 教授
藤井 直人 神奈川県立保健福祉大学 非常勤講師
河合 俊宏 埼玉県総合リハビリテーションセンター 相談部 福祉工学担当
坂下 晃 公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団理事・バリアフリー推進部長
塩沢 悟 電動車いす安全普及協会 会長
植松 規 一般社団法人 日本福祉用具評価センター 管理部 係長
小西 慶一 社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 副会長
玉木 一成 公益社団法人 全国脊髄損傷者連合会 理事
今西 正義 特定非営利活動法人 DPI 日本会議 バリアフリー担当顧問
山名 勝 アクセス関西ネットワーク 運営委員
渡辺 雅博 東日本旅客鉄道株式会社 サービス品質改革部 次長
榊原 篤 東海旅客鉄道株式会社 営業本部 担当部長
多田 真規子 西日本旅客鉄道株式会社 執行役員鉄道本部CS推進部長
小川 孝行 東京地下鉄株式会社 鉄道本部営業部長
滝澤 広明 一般社団法人 日本民営鉄道協会 運輸調整部長
石島 徹 一般社団法人 日本地下鉄協会 業務部長
山川 一昭 公益社団法人 日本バス協会 技術安全部長
中野 裕二 経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 統括基準認証推進官
野田 幸裕 消費者庁 消費者安全課長
吉田 正則 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部 企画課自立支援振興室長
佐藤 守孝 厚生労働省 老健局 高齢者支援課長
川上 洋二 国土交通省 鉄道局 鉄道サービス政策室長
中山 康二 国土交通省 鉄道局 技術企画課長
江坂 行弘 国土交通省 自動車局 技術政策課長
鶴田 浩久 国土交通省 自動車局 旅客課長
長井 総和 国土交通省 総合政策局 安心生活政策課長

・提出した要望と意見書

ハンドル形電動車椅子の公共交通利用等に関する調査検討委員会
にあたってハンドル形使用者の立場からのお願いと意見
(2016.11.18)
ハンドル形電動車いす使用当事者代表、アクセス関西運営委員 山名 勝

第3次見直し検討委員会を開催していただいたことに感謝します。
最初の鉄道乗車制度から13年経ち、法制度や社会的環境も随分変わり現行制度のままでは
オリンピック・パラリンピックを迎えることが出来ないことは明らかであり、これは
各委員の共通認識であると言えると思い、検討委委員会の議論が国際的に見て妥当なもの
になることを願います。

現行の乗車制度は、国内的な制度や視野だけに基づく特異なものになっており、世界中で
何の制限も行われず、普通形電動車いすと同じ扱いを行なっているにも関わらず、
日本だけで乗車拒否されるという事態が続いております。

法制度的には国連障害者権利条約批准や差別解消法施行があり、乗車制度そのものが違反と
の見解が強く、さらにIPCガイドでは「アクセスは基本的人権であり、社会的公正の基本で
ある。社会的公正とは、人々を個人として受け入れ、社会生活に完全に参加するための公平
で平等な機会へのアクセスを保証することでる。」と述べています。
この考えは、権利条約や差別解消法や障害者基本法でも等しく認めている考え方であり、
国際的に当然のことであり、アクセスの保証は人権問題の核心的なことと、国内でも認識
されるようになって来ています。

このような法制度や社会的認識の変化に伴い、この検討会の議論が「乗車を認める条件の
検討にとどまらず、国際社会の常識に沿った」ものになることを願います。
そもそも、ハンドル形だけに特別の条件を付ける合理的な理由はなく、条件が必要された
要因は、他国では当然設置されている車両の車いすスペースが無いことなどによるもので
あり、高齢者の操作機能の問題なども一律に制限が必要とは異なる問題です。

近隣の東南アジア諸国の鉄道やバス乗車では、ハンドル形とジョイステック形を区別する
考えはどこも行なっておらず、何んの制限もありません。
世界で国内でだけ特別な条件を課し、外国人の乗車を一切認めないなどという国はなく
利用者だけでなく、現場の鉄道事業者職員も合理的な理由がないのに、制度によって乗車
を断ることにとても困っているのが現実です。

今回の検討会では「世界の普通に合わせる」ことを目標に、前向きの議論をして頂くことを
切にお願いする次第です。
オリンピック・パラリンピック来訪者に不愉快な思いをさせないことでけでなく、誰でも
公平に鉄道が利用できるようにしようではありませんか。
by yamana-4 | 2016-11-21 16:27 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

オリ・パラへのハンドル形電動車いす問題の共同通信配信記事

◉この記事は共同通信がオリンピック・パラリンピックの
重要な課題として全国の加盟紙に配信した記事に、信濃毎日新聞が独自の取材を加えて
報道してくれたものです。
世界中で、車いすの種類による制限を加えている国はなく、日本だけの特異な制度であり、
もうすぐ見直し検討会が行われる予定です。


・この件に関するこれまでの経緯は、カテゴリー「ハンドル形電動車いす」に
掲載していますので、ご一読ください。

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by yamana-4 | 2016-09-16 12:28 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

ジェイアール名古屋タカシマヤで「電動車いすを店内備え付けの車いすと乗り換えろ」と云われた件について

◉表記のような出来事があり、抗議し文書回答を求めました。
Facebookのノートに詳細を掲載していますが、このブログからも概要が分るよう事の経緯を記しておきます。

c0167961_147693.jpg<発端>
7月21日(日曜)午後2時半ころ、JR名古屋駅構内の「ジェイアール名古屋タカシマヤ」でエレベーターで地下売り場に行こうとしたら、エレベーターの案内係に「店内が混み合っているので店内に備え付けの手動車いすに乗り換えてください」と云われました。

百貨店で云われたことのない「車いすを乗り換えろ」と思云われてビックリしましたが、無視してエレベーターに乗りました。地下売り場は日曜でもそんなに混雑していなかったし、どのような電動車いすでも全く差し支えない状況でした。買い物を済ませてから、広島菓子博の例もあるので黙って帰る訳にはいかないと思い、責任者ときちんと話しておくことにし、責任ある担当者を呼んでくれと要求しました。
来たのは「ジェイアール名古屋タカシマヤ」お客さま相談室 副室長 Y氏で、明らかにクレーマー対応というように感じまた。
「セニアカーについては、、、」と言い訳を始めたので、電動車いすとはどのような種類があって、どういうものかを説明し、
・電動車いすの客の入店やエレベーター利用について、何らかの制限をするよう
 エレベーター案内係に指示しているのか?
・障害者にとって電動車いすを使わなければならないことの意味を理解しているのか?
・広島菓子博で電動車いすの乗り換えを要求して大問題になったことを知っているのか?

など質問しながら、どれだけ車いすのことを理解し、どのような対応を指示しているのか、これは高島屋としての店の方針なのか? など探りましたが、「何もハッキリした方針がある訳ではありません」とかで、要領を得ませんでした。
「なぜ、車いすの乗り換えを要求してはいけないのか」など説明し、店としてのきちんとした対応を要求しましたが、回答できる権限があるのか分らない受け答えだったので、「今後乗り換え依頼などをしないと、今約束できないなら、今後どうするのか文書で回答を」
と約束させて終わりました。

<7月23日付け、簡易書留できた回答書の抜粋>

この度は、障害をお持ちのお客様に対する接客、電動車いすでの入店における貴重なご意見を賜り恐縮に存じます。
弊社では、常にお客様の立場にたち、すべてにおもてなしができ、ご満足いただけるサービスに心がけていますが、車いすに対するご指摘をいただき、大変ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。
高齢者や障害をお持ちの方の人口も年々増加する中、弊社としましても物を販売するサービスだけでなく、お買い物をされる障害をお持ちのお客様の介助サービスや環境整備に対する取り組みを行っておりますが、係員におもてなしの心構えが乏しくお客様にご迷惑をおかけしたことは、私共の指導の至らないものであり、電動車いすを制限するような案内をしたことに対し深く反省する次第です。
全従業員への障害をお持ちのお客様に対する教育を徹底するとともに、お客様の気持ちを理解し、お互いに助け合いができる環境をつくって参ります
ので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

<釈然としない回答なので、再回答を求めました>
「今後は、電動車いすを理由に、エレベータの利用や入店を断ったりしません」などと明確に表明していただきたかったのですが、「係員におもてなしの心構えが乏しくお客様にご迷惑をおかけしたことは、私共の指導の至らないものであり、電動車いすを制限するような案内をしたことに対し深く反省する次第です。」

と案内の不備の問題にすり替えられたので、これでは本当に理解されたのか分りません。
先の国会で「障害者差別解消法」という法律が成立し、3年後の施行に向けて具体的なガイドライン作成などの準備が始まろうとしています。
民間事業者には、当初は努力義務を課すだけですが、百貨店などの公共に準じるような業種では、国や自治体に近い対応が求められることになるでしょう。この法律では「合理的配慮」という国連人権条約で規定された新しい概念が導入され、「過大な負担を強いられず、やろうと思えば出来ることをやらないのは差別である」としています。
従って今回のような事案は、単なる接遇の不備ではなく「障害者差別を行った」と糾弾される恐れが起こってくる可能性があり、曖昧な回答でかわすことが難しくなってきます。
接遇の問題でなく、店として今後どのような基準で、電動車いすなどの入店の可否を判断されるのか、それとも、そのような判断などしないで、車いすを受け入れされるのか
明快に、再度のご回答を頂きたく存じます。

<8月8日再回答> 
弊社は、電動車いす(規格に適合したもの)のお客様につきましても、安心してお買い物ができる環境になっております。先日は明確なご案内が出来ずご迷惑をお掛けしました。
今後はこのようなことのなきよう注意いたす所存でございます。なお、店内が大変混雑する場合もございますので、安全には十分お気をつけ下さいますようお願い致します。
 

やはり、「電動車いすの入店は断らない」との明確な文言はありません。それどころか「混雑する時には気をつけろ」
と云っています。また、ことさらに"電動車いす(規格に適合したもの)"と書いている真意は何でしょう?
私としてはまだスッキリしませんが、これ以上の回答を引き出せると思えないので、事の経緯を公開
してみなさまに知ってもらい、今後の電動車いすへの対応について注目していただきたいと思っています。
特に名古屋の方たちに、おかしな接遇を改めたか監視くださいますようお願いします。
 
★全文はFacebookノートをご覧ください(ただしFacebook登録者しか見れません)
https://www.facebook.com/notes/508367922576606/
by yamana-4 | 2013-08-14 01:51 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

<要約> 交通バリアフリー法担当者及び鉄道局担当者とジュディさんとの話し合い

◉ボストンのWWWのウエブ規格基準の責任ある地位にあるジュディ・ブリューアさんが
日本での技術規格に関する会議のため来日、JRを利用したかったがハンドル形電動車いす
を使用されているため、規則によって乗車はさせないと拒否され、業務にも支障をきたした。
帰国に際して、国内の障害当事者支援者と国庫省で、この問題について協議されたので
要旨を転載します。


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★交通バリアフリー法担当者及び鉄道局担当者とジュディさんとの話し合い
 (要約)
2013年6月12日 国交省ホットラインステーション
ジュディ・ブリューア、DPI交通問題担当 今福、アクセス関東 山嵜、国交省関係者

(ジュディ)
・ 2005年、東京で会議があり来日、成田からは成田エキスプスに乗れた。その時、世界に一人しかいないある障害の専門医に会いに岐阜に行こうとしたが、JRへの乗車を拒否されて行けなかった。成田からは成田エキスプスに乗れた。

・ 2008年、再び仕事で来日し、成田エキスプレスに乗ろうとしたが、駅への入場を阻まれ、切符もなかなか売らず「この形の車いすはダメ」と言われた。この時も1時間以上粘って乗ることはできた。
東京での会議には参加できたが、帰りは非常に不安で数社のタクシー会社もバスも乗車できず、鉄道しか手段がなかった。また1時間も掛けて切符を購入し成田へ着いたら駅員が3人待っていて、謝罪するのかと思ったが「誤りで乗せたのであって二度と乗せない、駅への立ち入りもダメ」と言われた。
以前は日本でも乗れていたのにどうしてダメになったのか?基準が変わったのかと問いつめると怒り出して「警察を呼ぶぞ」と脅した。

・ 私は少し歩けるが、自分の障害の特性や身体状態に合わせて作った車いすは、私の障害にとっては必要で、操作もし易く不可欠なものである。

・ 今回の来日は所属する組織の主催で2ヶ月前から準備し、事前に許可をもらおうとしたがダメだった。日本の協力者にお世話になり京成スカイライナーの乗車許可をもらおうとしたがダメで、今福さんの支援を受けて普通電車を乗り継ぎでなんとか行けた。

・ 今回も無事帰れるか不安だった。会議の国内の多数のメンバーも「信じられない」「恥ずかしい状況」などと言っていて、三つの会議に出たかったがこの問題の故に都内での一つしか果たせなかった。私は日本の同じ問題を抱えている人たちのことを、とても気のどくに思い心配している。アメリカではハンドル形の状況は全く違い、何の問題もない。

・ (大熊室長)交通バリアフリーの基本的な政策立案やハード整備を行っている。私の立場からは乗って欲しいと思っているが、それぞれの事業者に立場によるので・・・。

・ (鉄道局担当者)JR東日本やJR東海には、今の制度では乗れないと分っているが「NEXTと新幹線に何とかならないか」と要請した。事業者は制度上難しいといい、結果として果たせなかったのは申し訳ないが、私の判断で制度云々というより「どうにかならないかと」努力はした。5月ころの話し。

・ (今福)ジュン・カイレスさんの乗車拒否の時の、DPIとの話し合いでは「本来乗れないものであり乗車拒否ではない」と言ったが、今回の件は認識として乗車拒否と位置づけ、認めるのか?

・ (鉄道局)まずは手動に乗り換えて、車いすは輸送してくれと言っているので「乗せない」とは言っていない。個人的にはどうかとも思うがルールがあるので。手動に乗り換えていただければ自分で動かせなくても駅員が押すし、駅から駅まで、乗り換えまでは駅員がやるので、自分の電動車いすをどうやって輸送するかの問題はあるが「乗る方法の提案」はあったので完全な乗車拒否とは言えない。列車には航空機と違って貨物室がないので、車いすを運べとは言えない。

(ジュディ)ワシントンに仕事で行った時、政府高官や障害関係者に会ったが日本に安全に行けるか、逮捕されたりしないか心配してくれ、アメリカ在日大使館にも連絡してくれた。他のアメリカ人旅行者や障害者の旅行者についても心配し、日本の状況には注目していきたいと言っている。
アメリカでも車いすの定義はいろいろあるが、全て車いすであり、仕事で他 ・ の20カ国以上の国に行ったが、車いすの区別をされたことはない。
しかし、日本は素晴らしい国でありまた来たいと思っている。

・ (大熊室長)アメリカで手帳とか資格を問われる事(確認)はあるか?

・ (ジュディ)誰もジャマしない、許可を得て障害者になっているのではなく、証明など不要。

・ (鉄道局担当)JRが頑に乗せないとしている理由は「健常な高齢者が気軽にどんどん乗って来たら困る」と恐れ、固執している。

・ (ジュディ)アメリカでも様々な手段で乗車させているが、日本の方が良い交通システム持っていて、効率的に乗車させている。今回の本の多くの方が心から気遣ってくれたことに感動している。
帰りに成田でガードマンや警官が見張っていない事を願うが、このことはアメリカ政府も関心を持っている。
日本の多くの同じような差別されているユーザーの方々にとって、ひどい状況と考えており、交通差別の解決を願っている。
バリアは政策的なもので、乗り越えるよう努力して欲しい。


以下、協議に同席した女性の車いすユーザーの山嵜さんと、成田からの往復を同行支援した電動車いすの交通問題エキスパートの今福さんの談話です。

(山嵜)昨日のジュディさんと今福さんに同席させて頂きました。
話の最後に、今福さんがジュディさんへ、最後に一言。と言いました。その際ジュディさんは直ぐに言葉にならず、目を赤くされました。それを見た瞬間、日本に来るたびにされた対応への悔しさより、何かもっと違うものを感じました。もしかしたら憎かったのかもしれませんよね。それでも毎回「日本は美しい国です」と何度も日本を褒め、日本の障害者を気にかけてくれました。常に冷静だったジュディさんを見習いたいと思います。
昨日の国交省の対応は「恥ずかしい」の一言です。

(今福)私も、とても良い話し合いで、ジュディさんの立派な発言や態度に敬服し、感動しました。鉄道局はもうチンケとでもいうより言いようがないほどで自分でもおかしい事を言っていると分っているのでしょうが、それをまったく感じていない風だから、かなり深刻な状況で、皮肉です。
日本の交通バリアフリーは、真の意味でガラパゴス的です。(笑い)

(山名)とても良い話し合いで、ジュディさんの立派な発言や態度に敬服しました。参加しなかったことが悔やまれますが、短い時間できちんと要点を抑えて話し合いをされたことを感謝します。
細かい話しはともかく、世界中に無い日本だけで通用しているもはや「奇妙な」とでも言うべき「ハンドル形鉄道乗車制度」をどうしたら壊せるかに、知恵を絞って全力を挙げていかなければと思い直しました。

(山名の解説)
この協議は何度も来日経験があり、二度もJRの乗車を試みていた知的なアメリカ人ハンドル形電動車いすユーザーが、今回の来日で「事前許諾を得て正当に乗車したい」と2ヶ月前から、日本の協力者を通じてトライしていたもので、私たちが最初から関与していたら、もう少し上手いアプローチもあったと思われますが、正攻法で攻めて玉砕してもきちんと、国交省と話し合いをして帰られたのは立派でした。
一昨年のカルフォフルニアのジュンさんの拒否事件の後、外国人旅行者に短期間の特例承認をする方法が内部的に検討され、実施も可能のようですが、その要件が「国内のハンドル形乗車許可基準に合致していること」とされているので、そのようなガラパゴス的条件を満たす外国製電動車いすはほとんど無く、事前に乗車予定の区間だけの条件もあり、事実上は全面的に拒否していないとの言い訳に使われているにすぎません。
この救済策は、一度も実施されていないという事ですが、当然です。

★ジュディさんからのメールと返信
Dear Imafuku-san, Yamana-san,
Yes, it is definitely fine to use my photo.
I think you asked me a second question, but the Google translation was unclear. Were you asking me whether it was OK to use an audio recording of the meeting? Or were you asking me whether it was OK to use written notes from the meeting?
If so, I am fine with you using most of the audio recording or written notes from the meeting, but prefer that you don't use the part that has some personal medical details. It's fine to use everything else, including my description of how my handle-type wheelchair is customized so that it helps support my back, etc.
Is it possible to send me the recording from the meeting so that I can take a look? It was difficult to believe some of the things that the JR representatives said. (It's OK if it is in Japanese.)
I am also sending this to Yamana-san.
Thank you very much.
Best regards, - Judy

June,14,2013
Dear Judy:
I amhappy to know your safe return to Boston.
I , Yamana,isone of those who are struggling against the unreasonable regime operated bothby the government, MILT, i.e. Ministry of Land, Infrastructure, Transport andTourism and JR, i.e. Japan Railway, proposing that any wheelchair users shouldbe treated equally.
We are quitesorry to know that you faced with the refusal to be a passenger at JR together withsupporting words from the Railway Bureau of MILT rather than a correction. Wefelt sorry that we, the wheel chair uses, are not powerful enough to change thescheme. We appreciate your warmsympathy to wheelchair people in Japan, even with your unpleasant experience inJapan.
I am one ofthose who are deeply committed the problem, concerning the handle-typedwheelchair and its transportation. If I knew your coming in advance, I musthave managed the your way to Gifu. It is my great regret.
If your purposeis to consult a medical care in Gifu, it is quite likely that we, together withImafuku, can help you get there by using taxi, or otherpossible way to get to Gifu, to where Chubu (Nagoya), Kansai, or Itami isconvenient. Among those, Chubu is the closest. Anyway, we will be pleased tohelp you come by negotiating with some group of the handicapped who may keepsuitable car which can carry wheelchair inside.
Of course, all those special cares are unnecessary wherepeople are free from the ridiculous prejudice against handle-typed wheelchairs.But for the time being, we hope, we will help you. We want to keep in touchwith you even in this way.
This time, weare sorry that we could not meet in Tokyo. We hope you do not give up to comeagain. Next time you come, please let us know at the time of your travel plan. Wehope and believe that we can be helpful to you.
Looking forwardto seeing you soon again.
Best Wishes, Masaru YAMANA
by yamana-4 | 2013-07-07 10:55 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

ハンドル形電動車いす鉄道乗車制度についての問題点の総括

◉来日しているアメリカ人のハンドル形ユーザーがJRに乗りたいと希望し、
国内の関係者が国交省に"来日外国人旅行者の特例乗車"(*)を打診したが、
外国製の電動車いすは時速6km以上のスピードが出るのを正直に申告して
「国内の基準に合わないからダメ」と却下されたと聞いた。
"ハンドル形電動車いす鉄道乗車制度"で決めている要件に国内での電動車いすの
速度と同じ時速6km以下という項目があるが、欧米では時速8〜15kmくらいが普通。
日本のような遅いスピードを道交法で決めている国はなく、それを問題にすると、
外国からの電動車いすの旅行者は国内では自分の車いすを使えない。
そもそも外国製電動車いすに、時速6km以下のものはほとんど無く、
そこを厳密に問題にしていないのに外国人旅行者の鉄道乗車にだけ強いるのは
不公平と言えるのではないか?


(*)ハンドル形電動車いすで来日の外国人旅行者は、ハンドル形電動車いす鉄道乗車制度の
 補装具給付か介護保険レンタルに限定という条件で、JRなど規則を厳格運用している鉄道の
 乗車を拒否されているが、国内基準に合った機種だけは予め旅行計画を出して申請した区間
 に限って、例外的に乗車を認めることがあるとのことだが、国内基準に合う電動車いすなど
 外国製に存在するはずはなく、実際には乗車を認めないということであり、
 一律認めていないという非難をかわすだけのごまかしにすぎない!

★現行のハンドル形鉄道乗車制度の問題点資料

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by yamana-4 | 2013-06-11 03:23 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

改良型ハンドル形による新幹線「N700系のぞみ」乗車(2)

★ハンドル形電動車いすによる新幹線「N700系のぞみ」乗車多目的室と多機能トイレの詳細

多目的室と多機能トイレ
・多目的室
 電動車いす2台くらいの乗車に十分な広さでありるが、2人掛けベンチシートでルクライニング、
 ベッドにもなる。室内には、折りたたみ補助イス1脚、コンセント1あり。
 出入りはボタン式自動ドア、カギを掛けるよう注意書きがあったが、反対側のトイレと同じ仕様なので他の乗客が
 間違って再三ドアを開けるためだった。
 乗車中充電できるので電動車いすには便利、冷房は効きすぎるが風向きしか調整できず、アナウンスは個室でも
 車内と同音量なので大きすぎて喧しい。
 車内販売はドアをしめていると、何時来ているのか分からない。
・多機能トイレ
 JR車両では一番広く、かなり大型の電動車いすも室内で回転できる。
 列車内トイレでオストメイト機能を付けたのは画期的。
 左側へ壁面にベッドなど多くの機能をつけたので、手洗いが使い難く
 水洗と便座上げ下げボタンが右側に付けてあり分かり難い。
 初めて使う人や外国人は戸惑うのではないかと思われる。

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by yamana-4 | 2011-07-01 12:09 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

改良型ハンドル形認定証交付と新幹線「N700系のぞみ」乗車(1)

◉申請から二年後、認定証と車いす車体貼付用ステッカーが交付された!
3月9日台湾製2機種の判定が行なわれたことは、4月3日付本ブログで掲載した通りであるが、
3月16日にバリアフリー協議会から「認定書とステッカー」がおくられてきた。
新制度移行によりハンドル形電動車いすの新幹線認定条件が設定され、最優秀で条件をクリーアーした
私の台湾製ハンドル形電動車いすへの認定申請をしてから、実に二年経ってからであった。
これによって同じ機種を使っている人は認定申請ができ、新幹線乗車が可能になるはずであったが、
事業仕分けにより「3月末のバリアフリー協議会解散」が決定され、認定業務を行なう機関が消滅した!
現在も代替え機関は決定されておらず、新たな認定は全く行なわれない状態が続いている。

★10/10付記:現在認定機関の選定が行われており、近々発表されるもようとか。

◉新幹線「N700系のぞみ」の乗車
認定証は入手し新幹線乗車が可能になったが、乗車することをためらっていた。
理由は問題はほとんど解決されておらず、3機種以外の使用者や外国人・自負購入者など
大半の方々が乗車拒否されている現状で自分だけ乗車して良いのかとの煩悶があったのと、
東日本大震災による各種の自粛などで、上京の機会も少なかったからであった。
しかし、少しでも違った車いすが乗車して既成事実を積み上げ、理解を広げることの方が
重要と6月13〜14日、新大阪〜東京の往復乗車を行なった。


★ハンドル形電動車いすによる新幹線「N700系のぞみ」乗車券購入と乗車の実際
1、乗車券購入
 JRは2日以上前の予約をしなければならないと決めている。
 これは電動車いすの乗車スペースを作っておらず全ての電動車いすは16号車に1室しかない「多目的室」の乗車しか認めて
 いないからであり、この席はコンピューター管理されず、JR東海本社の担当の直接管理によっており時間が掛かるからか?
 また、JR東海以外の窓口から申し込むと一旦JR東日本や西日本などの本社担当に連絡され、そこからJR東海の担当に
 空席確認と予約が行なわれ、JR東海担当の許可がなければ乗車券の発券ができないからである。
 今回は大阪駅で申し込んでから5時間後に発券された。
 JR西日本は乗車申込書を「特定席受付台帳」という様式で記載させている。
2、乗車
 乗車10分前までに新大阪駅改札で乗車介助(段差があるので携帯スロープ介助)をすること、
 ハンドル形電動車いすには「乗車についての注意書(A4)と電子音警報機」を渡された。
 そ例外の駅員の接寓は普通で、特にハンドル形への特別な制限などはなかった。
 多目的室と多機能トイレそのものは使い易い。(詳細は次ページへ)
 しかし、車内に入れず隔離状態で乗車させるのは問題。
 飛行機よりも乗車手続きは簡単で、荷物検査・セキュリティチェックなどもなく「ずっと自分の車いすが
 使える」ことが大きい。車いすはやはり鉄道の方が使い易いことを実感した。
3、車内車いす移乗座席とデッキ収納
 車内に縦並び2座席ある「車いす座席」は座席移乗できる手動車いすとベビーカー専用。
 ただし、普通形手動車いすや普通型電動ジョイステック形は「スペースへのはみ出し乗車」が行われているが、
 大型電動ジョイステック形車いすや、ハンドル形電動車いすは「多目的室乗車かデッキ乗車」にならざるをえない。
 11号車デッキの壁面に収納部分があり「車内用車いすと携帯スロープ」が積載されていることが分かった。

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by yamana-4 | 2011-07-01 11:46 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(2)

ハンドル形電動車いす鉄道乗車問題のお習いと台湾製2機種の判定

◉11年3月9日3時から国交省で台湾製2機種の公開判定が行われました。
乗車制度の要件をクリアーしている機種は事務的に認定されるはずでしたが、
いつの間にか個々の判定が必要とされて、利用に差支えない機種の認定が
引き延ばされていたことへの最小限の進展でしょうか? 
そこで「ハンドル形電動車いす鉄道乗車問題のおさらい」をしておきたいと思い
パワーポイントから抜粋して問題を整理してみました。


★改良型ハンドル形電動車いすの認定試験
・実施機種 2機種 ①ポシェット ②モバイルアルファ
・判断基準 国土交通省の調査報告書(平成20年3月発行)の基準による。
2機種とも合格でした!既に申請している人には「認定ステッカー」が交付されます。

★追記12年10月
・審査・利用認定手続きが「日本福祉用具評価センター(JASPEC)」に変更され、個人申請が
 販売店経由になった。(バリアフリー協議会は11年3月末で廃止された)
 http://www.jaspec.jp/news/detail.php?1327282064
 ハンドル形電動車いすの鉄道利用手順(PDF) 鉄道利用ステッカー申込書(PDF)もこのページから
・改良型ハンドル形電動車いすの認定機種はほとんど増えておらず、
 申請利用者も少ない状態は改善されていない。
・新幹線N700系の乗車も多目的室限定とされ、車内の車いす座席への乗車券発売は拒否されている。
 また、在来線特急列車の乗車券発売も拒否されたままである。

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by yamana-4 | 2011-03-04 16:29 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)

乗車拒否トラブルでJR東海がハンドル形電動車いすを損害賠償で訴えた件の判決

◉結果は「敗訴」!
しかし判決理由に「新幹線の乗車が可能とされることが望ましい」との注目すべき判断が
示されていたので「控訴せず確定」することとなった。
<判決報告>F氏(被告)へのJR東海及び新横浜M駅員(原告)の損害賠償等請求事件裁判

(判決言い渡し1月28日、横浜地裁)

JR東海の新横浜駅でのハンドル形電動車いすの乗車拒否に絡み、「車いすがぶつかり怪我をさせられた」と
JR側から損害賠償請求がなされた事件について、本年1月28日、判決がありました。
裁判では、衝突の事実を争い、また、ハンドル形電動車いすの乗車拒否の違法性について争いましたが、
判決は、衝突の事実を認めた上で、JR側の請求する慰謝料を1/3に減額しました。
その上で、判決は次のように判示しました。

「確かに、JR東海は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることは
望ましいことは論を待たない。」
「被告は、品川駅から新横浜駅に来る際には新幹線を利用することができており、被告が再び品川駅に戻る際に
新幹線を利用できると考えたことにも理由があるのであって、被告が本件行為に及んだ原因の一つに原告会社の
一貫しない対応もあったといえること、JR東海は公共性の高い交通機関であるから、
本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることが望ましい等の事情を総合考慮すれば、
原告駅員に対する慰謝料としては…万円の限度で認めるのが相当である。」


訴えられたFさんは、控訴をするか最後まで悩みましたが、ハンドル形電動車いすの乗車拒否については別の裁判で
大きく問題提起するのが妥当と考え、今後の運動に上記の判示が少しでも役に立てばと全体の利益を優先し、
敢えて控訴をしませんでした。
関係者は「今後、ハンドル形電動車いすの乗車拒否の違法性を問う裁判の提起を検討していますので、
その際はぜひともご支援くださいますようお願いいたします。」とコメントしています。

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★事件の概要と申立
 平成18年10月15日、品川駅から新横浜駅へ新幹線乗車をしての帰途「ハンドル形電動車いす」は
 扱えないと乗車拒否され、長時間にわたるトラブルの中で、電動車いすによる衝突によって
 M駅員が負傷した事件への「治療費及び慰謝料」を払え。またJR東海が支払った「超過勤務手当と
 療養手当」を補償せよ、という合計38万円弱の支払い要求であった。
(なお、この乗車は当日行われた「東京実行委員会の交通行動」による乗り込みで、新幹線乗車は
 ハンドル形電動車いすのF氏とジョイステック形電動車いすのI氏の車いす2台、介助者各1名
 同行新聞記者1名が参加していた)

★判決理由の注目点
裁判所の判断は衝突したことを認定した上で、違法性阻却と過失相殺については、
「なお被告は、原告会社が本件車いすによる新幹線への乗車を拒否するという人権侵害行為を行ったことに対する
対抗措置として本件行為に及んだのであり、違法性阻却事由又は過失相殺の対象になる等と主張し、確かに、
原告会社は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることは望ましいことは
論を待たないが、そのことから当然に、故意による物理力の行使である本件行為が許されるものではないから、
その違法性が阻却されたり、過失相殺がされるものではない。
その点については、慰謝料を算定するに際し考慮すれば足りる。」とし、
慰謝料の算定事由の中で
「また、上記のとおり、本件行為が被告の故意による物理力の行使であるものの、上記前提事実のとおり、被告は、
品川駅から新横浜駅に来る際には新幹線を利用することができており、被告が再び品川駅に戻る際に新幹線を利用できる
と考えたことにも理由があるのであって、被告が本件行為に及んだ原因の一つに原告会社の一貫しない対応もあったと
いえること、原告会社は公共性の高い交通機関であるから、本件車いすによる新幹線の乗車が可能とされることが
望ましい等の事情を総合考慮すれば、、、、、」と判示している。

要するに「新幹線乗車が可能なことが望ましいことは論を待たない。従って被告の行動は一定の理由がある」
慰謝料を1/3に減額したことに、敗訴はしたが判決を受け入れた理由があります!

★ハンドル形電動車いすに関わる記載は、下記アンダーバーの「ハンドル形電動車いす」をクリックしてご覧ください。
by yamana-4 | 2011-02-17 06:08 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)