2008年 11月 20日 ( 1 )

危険な階段昇降機をなぜ無理やり使わせる?

◉近鉄名古屋線「津新町駅」で起ったこと、経緯と解決について

 11月17日、三重県津市で近畿日本鉄道名古屋輸送統括部と、要望書を出した「ピアサポートみえ」の「危険なキャタビラ式階段昇降機(チェアメイト)の突然の使用強要をやめ、従来の使い易いスロープと構内横断通路の利用復活を求める」交渉が行われ、支援に行ってきました。
 車イスでの電車乗降では、ホームと改札への通路が車イスで通れるかが、まず問題になります。バリアフリー法では一日乗降客数5000人以上の駅は2010年までにエレベータなどの設置を義務化していますが、資金的な制約などで間に合わない駅などで便宜的に階段昇降機などを使用する例が多くあります。
その中で「チェアメイト=キャタピラ式階段昇降機」は工事が要らず、使い回しが出来るので安易に導入されることがありますが、使用写真のように身体的にムリな姿勢を強いり、振動が大きく不安定で大変恐怖を感じ、落下事故も多数発生している危険な器具なのです。c0167961_1452675.jpg
 近鉄「津新町駅」は1日乗降客が1万2千人を超えエレベータ設置義務駅ですが、優先順位の関係で設置計画が立っていません。以前からチェアメイトが配備されていましたが、ホーム端がスロープで線路横断通路も整備されていて、この方が介助手間もかからずスピーディに利用出来るので、ずっと使われていました。
ところが最近、このような「通路の使用を禁止する」との本社指示が出て、何時も利用している車イスの人は危険なチェアメイトを使用しないと乗降できなくなり、駅員も困惑している事態が起り、急遽交渉となったのです。c0167961_2281628.jpgc0167961_2293459.jpg
•交渉経緯
 要望に近鉄側からの回答「駅員への指導で安全に使用することで継続したい。チェアメイトは使い続ける」と。なぜチェアメイトがダメなのか説明、添付写真と事故などの資料は説得力があり、特に写真は効果的だった。介護者からも身体的に使えない障害者が存在することなど説明し、チェアメイトの使用中止とスロープ経路の利用再開を強く求めた。
 近鉄側は遮断機など安全設備が整った横断通路以外は使用することは出来ない。桑名駅もチェアメイト配備しエレベータ設置までは同様の措置を取り続けるし、他の駅でも駅員誘導の横断通の利用は禁止するとの回答。
 平行状態に陥ったので、視点を変えて質問「何故チェアメイトが安全で皆が使えると確信しているのか、私たちを納得させる合理的な説明を」
説明できる訳なく、やり取りでいろいろ分かってきた。
・駅員誘導を禁止した真意ー人為的ミスによる事故への過剰な恐れ
 =車いす利用者の安全より駅員を守るため?
・チェアメイト10年くらい前から配備されていて使ってなかったのに
 突然使用命令を出したのは=車いす皆が使え安全と単純に思っていただけ。
・駅員誘導での横断での事故例があるのか質問したが知らない=起ったことはない。
 事故発生の危険性はチェアメイト使用の方が格段に多く、会社にとっても危険な判断であることや、バリアフリー対策に後ろ向きだと広言しているに等しい、利用者の身体的精神的ダメージと同様にこの方針変更は近鉄へのダメージとなることなど、よく説明して説得。
・近鉄側の出席者は説得しているうちに、だんだん理解してくれたように見え「社内に持ち帰って検討します」
•再回答
 「構内通路は遮断機がないことから、安全が確保できていないものであり、利用していただくことはできない」
最初から再考する意思は無いようで失望していましたが、三重県ユニバーサルデザイン担当係の要望もあり、うれしい解決となりました。

◉11月20日、近鉄さんから「当社としてはお客様の安全を重視しておりますが、係員を適正配置させ安全を確保したうえで通路使用をさせていただきます」と回答があったそうです。きちんと理解して頂ける資料や写真を作って、社内説得し易くして交渉に臨んだ当事者と、良識ある対応で決定を撤回した近鉄さんの双方に拍手!
上手な交渉のやり方を見せていただきました。

by yamana-4 | 2008-11-20 03:56 | バリアフリー | Trackback | Comments(2)