「ハンドル形電動車椅子の公共交通等利用等に関する調査研究」第1回検討委員会

◉11月18日国交省おいて標記の検討委員会が開催され、
懸案のハンドル形電動車いすの利用を緩和するための検討が始まりました。
2006年の検討委員会当時とは、権利条約や差別解消法など社会的・法制度的環境が異なり、
方向性としては、外国人が一切利用できないことや障害者の利用も制限的なことを改めること
については、鎌田委員長もあまり異存の無いところのようですが、このところ自動車事故が続発の
高齢者の利用については、一定の条件を科する必要があるか?などが問題になるところです。
また、利用制限の原因になっている車内にスペースを設置していないことに関しては、
同時に行われているガイドライン検討委員会に、連携を取りながら任すという方向になりました。

「ハンドル形電動車椅子の公共交通利用等に関する調査検討委員会の設置」(委員会資料)
1.背景
ハンドル形電動車椅子の公共交通利用については、同車椅子が日常の移動手段として必須
なものとなった障害者等が他の車椅子と同様に公共交通機関を利用できるようにするため、
平成14 年度及び平成19 年度に調査研究委員会を設置して検討を進め、ハンドル形電動車
椅子の鉄道車両の利用にあたっての要件を取りまとめたところである。
しかしながら、前回調査より約8年が経過し、その間、高齢化の進展、障害者数の増加に
加え、障害者権利条約の批准に向けた国内関係法令の整備、訪日外国人数の著しい増加など、
ハンドル形電動車椅子を取り巻く環境は大きく変化しており、「ユニバーサルデザイン
2020 中間取りまとめ※))」においても、「ハンドル形電動車椅子の鉄道車両等への乗車要件
の見直しを検討する」こととされたところである。
こうした状況を踏まえ、今般、ハンドル形電動車椅子による公共交通利用の際の要件の見
直しについて検討を行う調査検討委員会を設置し、検討を行うこととした。
※)平成28 年8月2日 ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議決定
2.委員会構成(資料1参照)
○ 構成員:学識経験者、障害者団体等、公共交通事業者及び関係団体、関係省庁
国土交通省関係課 等
○ 事務局:国土交通省 総合政策局 安心生活政策課、社会システム(株)
3.検討内容
○ 利用者に関する要件の見直し
○ ハンドル形電動車椅子に関する要件の見直し 等
4.スケジュール(5.検討のフロー参照)
○ 委員会は3 回(11 月18 日、平成29 年2 月中~下旬、3 月上~中旬)

・委員名簿
(敬称略、順不同)
鎌田 実 東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻 教授
秋山 哲男 中央大学研究開発機構 教授
藤井 直人 神奈川県立保健福祉大学 非常勤講師
河合 俊宏 埼玉県総合リハビリテーションセンター 相談部 福祉工学担当
坂下 晃 公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団理事・バリアフリー推進部長
塩沢 悟 電動車いす安全普及協会 会長
植松 規 一般社団法人 日本福祉用具評価センター 管理部 係長
小西 慶一 社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 副会長
玉木 一成 公益社団法人 全国脊髄損傷者連合会 理事
今西 正義 特定非営利活動法人 DPI 日本会議 バリアフリー担当顧問
山名 勝 アクセス関西ネットワーク 運営委員
渡辺 雅博 東日本旅客鉄道株式会社 サービス品質改革部 次長
榊原 篤 東海旅客鉄道株式会社 営業本部 担当部長
多田 真規子 西日本旅客鉄道株式会社 執行役員鉄道本部CS推進部長
小川 孝行 東京地下鉄株式会社 鉄道本部営業部長
滝澤 広明 一般社団法人 日本民営鉄道協会 運輸調整部長
石島 徹 一般社団法人 日本地下鉄協会 業務部長
山川 一昭 公益社団法人 日本バス協会 技術安全部長
中野 裕二 経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 統括基準認証推進官
野田 幸裕 消費者庁 消費者安全課長
吉田 正則 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部 企画課自立支援振興室長
佐藤 守孝 厚生労働省 老健局 高齢者支援課長
川上 洋二 国土交通省 鉄道局 鉄道サービス政策室長
中山 康二 国土交通省 鉄道局 技術企画課長
江坂 行弘 国土交通省 自動車局 技術政策課長
鶴田 浩久 国土交通省 自動車局 旅客課長
長井 総和 国土交通省 総合政策局 安心生活政策課長

・提出した要望と意見書

ハンドル形電動車椅子の公共交通利用等に関する調査検討委員会
にあたってハンドル形使用者の立場からのお願いと意見
(2016.11.18)
ハンドル形電動車いす使用当事者代表、アクセス関西運営委員 山名 勝

第3次見直し検討委員会を開催していただいたことに感謝します。
最初の鉄道乗車制度から13年経ち、法制度や社会的環境も随分変わり現行制度のままでは
オリンピック・パラリンピックを迎えることが出来ないことは明らかであり、これは
各委員の共通認識であると言えると思い、検討委委員会の議論が国際的に見て妥当なもの
になることを願います。

現行の乗車制度は、国内的な制度や視野だけに基づく特異なものになっており、世界中で
何の制限も行われず、普通形電動車いすと同じ扱いを行なっているにも関わらず、
日本だけで乗車拒否されるという事態が続いております。

法制度的には国連障害者権利条約批准や差別解消法施行があり、乗車制度そのものが違反と
の見解が強く、さらにIPCガイドでは「アクセスは基本的人権であり、社会的公正の基本で
ある。社会的公正とは、人々を個人として受け入れ、社会生活に完全に参加するための公平
で平等な機会へのアクセスを保証することでる。」と述べています。
この考えは、権利条約や差別解消法や障害者基本法でも等しく認めている考え方であり、
国際的に当然のことであり、アクセスの保証は人権問題の核心的なことと、国内でも認識
されるようになって来ています。

このような法制度や社会的認識の変化に伴い、この検討会の議論が「乗車を認める条件の
検討にとどまらず、国際社会の常識に沿った」ものになることを願います。
そもそも、ハンドル形だけに特別の条件を付ける合理的な理由はなく、条件が必要された
要因は、他国では当然設置されている車両の車いすスペースが無いことなどによるもので
あり、高齢者の操作機能の問題なども一律に制限が必要とは異なる問題です。

近隣の東南アジア諸国の鉄道やバス乗車では、ハンドル形とジョイステック形を区別する
考えはどこも行なっておらず、何んの制限もありません。
世界で国内でだけ特別な条件を課し、外国人の乗車を一切認めないなどという国はなく
利用者だけでなく、現場の鉄道事業者職員も合理的な理由がないのに、制度によって乗車
を断ることにとても困っているのが現実です。

今回の検討会では「世界の普通に合わせる」ことを目標に、前向きの議論をして頂くことを
切にお願いする次第です。
オリンピック・パラリンピック来訪者に不愉快な思いをさせないことでけでなく、誰でも
公平に鉄道が利用できるようにしようではありませんか。
by yamana-4 | 2016-11-21 16:27 | ハンドル形電動車いす | Trackback | Comments(0)
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