セミフラット形式歩道整備と車いすバス乗降問題、滋賀県の場合

◉帝産湖南交通の車いす使用者バス乗車拒否にからんで大津市近辺の歩道状況を
注意して見て、他府県に比べ「セミフラット形式歩道」の整備が進んでいることに気づきました。
これは平成17年道路構造令改正で「歩道の一般的構造に関する基準」が変わり、歩道を車道より高くする従来の方法でなく、
車道より5cm高くするだけにして境界部の縁石も連続しなくてもよいと改められたものです。
バリアフリー法の特定経路は原則セミフラット方式とするとなりましたが、歩道を高く作ると歩道境界部分に段差や傾斜が、
車進入路などで横断勾配ができたりして車いすの通行に困難が生ずることが無くなるからです。
ところが、バス停部分も低いままだとバス戸口からのスロープ傾斜が急角度になり、車いすのバス乗降が危険になります。
道路構造令では「バス停部分は15cm程度のマウントアップを行う」となっていますが、ほとんど行われていません。
滋賀県や大津市の道路管理者は、なぜ道路構造令を守らずバス停のマウントアップを行わないのでしょう?


★歩道の一般的構造に関する基準の改正について
(平成17年2月3日 国交省 道路局 企画課、都市・地域整備局街路課 通知)
 [改正の背景・趣旨]
 近年、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(交通バリアフリー法)
 が施行されるなど、高齢者、身体障害者等を含め、全ての人にとってのバリアフリー社会を実現していくことが求められ
 ています。
 道路の歩道の構造に関しては、交通バリアフリー法上の「特定経路」においては既に同法に基づいて定めた道路構造とする
 こととなっているところですが、今後は「特定経路」以外の道路においても、バリアフリーの観点を踏まえた道路整備を
 行っていくことが必要と考えています。
 また、歩道等の設置の要否や幅員等の構造決定について、道路構造令の規定に基づき、道路管理者等が地域の実情等を十分
 に考慮して適切に運用していくことが重要です。

 今回の基準のポイントとそれにより期待される効果
1)歩道の新設・改築の場合はセミフラット形式とすることで、段差が緩和され、平坦部の十分な確保が可能となります。
2)既設のマウントアップ形式の歩道に車両乗入れ部を設ける場合の構造を改めることにより、平坦部をより広く確保する
  ことが可能になります。(資料1参照。)
具体的内容
 現行の基準(「歩道における段差及び勾配等に関する基準」に対する主な改正点は以下のとおりです。
・歩車道境界の識別性の確保と、歩道面に生じる勾配を少なくすることの両面を考慮し、歩道の形式は、セミフラット形式
 (縁石は歩道面より高く、歩道面の高さは5cm程度)を基本とします。
 (なお、交通バリアフリー法上の特定経路については、セミフラット形式を原則としています)

・歩道の横断勾配(歩道を歩く際の横方向(左右)の勾配のこと)については、歩道面の雨水の排水などを考慮して、道路構
 造令第24条第2項により、従来どおり2%を標準としますが、透水性舗装の採用などにより排水が図れる場合には、車いす
 などの通行を考慮して、横断勾配を1%以下とすることとします。(なお、交通バリアフリー法上の特定経路については、
 透水性舗装を行った上で横断勾配を1%以下とすることを原則としています)

・既設のマウントアップ形式(高さが15cm程度で、歩道の縁石と歩道面の高さが同じ)の歩道に、民地への車両の出入り
 等のために設ける「車両乗入れ部」の構造については、歩道を通行する歩行者の快適な通行をより一層確保するため、歩道
 の平坦部の幅員を可能な限り確保できるよう、すりつけ部の構造を改めます。
 ア)歩道の高さが15cmの場合、すりつけ部分の長さを75cmと規定し、従来より短い長さですりつけることとします。
  (従来は、約93cm必要。(通常縁石を用いる場合。))
 イ)歩道の高さが15cmを超える場合は、従来どおりすりつけ部の勾配による規定としますが、可能な限り平坦部を広く
   確保することを記述します。
 ウ)いずれの場合も、歩車道境界に設ける段差は5cmとすることを原則とします。

(資料1)「歩道の一般的構造に関する基準」改正のポイント
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/06/060203/01.pdf
『歩道の一般的構造に関する基準』
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/06/060203/03.pdf

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by yamana-4 | 2011-12-31 03:48 | バス停問題
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