「市民ライター通信(大阪)」震災特別号

◉発行者:吐山継彦さんからのメッセージ
東北地方太平洋沖地震、被災地域の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、一人でも多くの皆様の無事を祈ります。

<大阪の「市民ライター養成講座」(大阪ボランティア協会主催)の
 修了生が情報発信しているメールマガジンの特別号からの転載です。>

大阪市北区にある自分のホームオフィスの書棚の本や台所の食器類は微動だに
しなかった。だからぼくは、東北・関東であれほどの大惨事が起こっていると
は露ほども知らず、テレビが津波の襲来と被害を詳細に報道するまで、のん気
に「また地震か…」程度の認識しかなかった。2011年3月11日、午後2時46分。
この日時はこれから、阪神淡路大震災の1995年1月17日、午前5時46分ととも
に日本人の胸に刻み込まれることになるだろう。

今回の災害は、有史以来、最悪のものの一つであったことは間違いない。地震、
津波に加えて、火災、そして放射能災害という四重苦に見舞われた。被災地の
人びとの労苦は察するに余りある。親しい人びととの別離、モノの欠乏、病苦、
死の恐怖などが二重にも三重にも襲ってきているのである。人間ばかりではな
い、犬猫等の動物や草木虫魚の類も同じような目に遭っている。

マスコミ報道やウェブサイトによる現状レポートに接して、「被災地から遠い
自分はいま何をすべきなのか?」という問いを突き付けられているように感じ
る向きもあるだろう。インターネットのブログやメルマガでの言説を見ている
と、何かこう“浮き足立っている”ように感じることも多い。今すぐにでも自
分の生活を離れて被災地へ飛び出していったり、暮らしの必要経費を度外視し
て過分の寄付をしたり、といった行動は厳に慎むべきであろう。とりわけ、何
の組織もネットワークも持たない個人が現地へ赴いてボランティアを志願する
など、現在の原発事故の深刻さから考えても論外であろう。

関西の自治体も被災者のための避難所を開設することを検討しているようであ
る。そこでは多くのボランティアが必要とされるだろう。できれば、関西に来
られる被災者のために支援の輪を広げよう。金あるものは金を、力あるものは
その体力を、そして心配りのできる人はそのやさしさを、被災者のために使お
う。

とり立てて権力も持たず、莫大な資金も暇もないぼくらにできることは、まず
死者や被災者に思いを馳せることである。想像力の限りを尽くして、被災地の
人びとの寒さと空腹を思おう。親や子、親類縁者、友人知人を亡くした無念さ
と寂しさに思いを馳せよう。そしてそのことを、家族や親しい人たちと語り合
おう。思いは増幅する。思いのバイブレーションは、次々と人びとに伝染し、
やがて連帯感が生まれ具体的な行動に繋がるだろう。

みんなで担うと、重荷も軽くなる。ほとんどの人間は、大企業の経営者や有名
スポーツ選手のように多額の寄付をすることはできないし、自衛隊や消防?警
察の猛者のように現場で果敢に原発事故の沈静化に臨むことはできない。しか
し、被災地の人びとの通苦や生活上の重荷は、みんなで分担すれば軽くなる。
暖房器具の温度設定を各自がわずか1℃下げるだけで、全体としては相当量の
電力の節約になるのと同じようなものである。

自戒を込めて、一人ひとりが「もったいない」と「ありがたい」の気持ちを普
段より1割増しにすればよいのだと思う。日頃、パソコンの電源を切らずいつ
もスリープ状態にしている人は、「もったいない」精神を発揮し、きちんとシ
ステムを終了しコンセントを抜いておこう。毎朝10キロのジョギングを欠かさ
ない人は、健康であることの「ありがたさ」を思い、例えば、1キロごとに10
円、貯金箱に入れておけば、1年後には被災地に3万円以上の寄付ができる。
復興への長い道のりを考えれば、それでも十分間に合う。

いちばん大切なことは、普段のまともな暮らしをいつも通り続けながら、被災
者(地)を支援することである。根本のところで、社会を、そして世界(歴史)
を動かしているのは、フツーの市民の真っ当な毎日の営為である。一人ひとり
の仕事、各自の暮らしの円滑こそ総ての原動力である。普段の仕事と暮らしを
確実に継続しよう。結局そのことこそが、被災地の人びとのニーズを満たし、
生活を支援することに繋がるのだと思う。

鉄道会社の社員は、電車の滞りない運行に注力する。スーパーマーケットの店
員は、食品と日用雑貨が支障なく市民に届くよう、着実に仕事を遂行する。教
員は生徒たちに、普段からまともな仕事と暮らしの大切さについて語り、話し
合おう。これらが相まって、世界と歴史は動いていくのである。

すべての市民ライターにお願いしたい。今回の未曾有の大災害についての思い
をさまざまなメディアに書いて欲しい。その思いは伝達され、増幅されること
によって、やがて現実的な力と支援をもたらすことになるだろう。
最後に死者への餞として、下記に拙い歌を掲げておくことにする。
生きものの 誕生いらい 去り逝きし 無数のものの 隊列に入る
合掌。

★ 私たちにできること             
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて、今私たちに何ができるのでしょうか。
大阪ボランティア協会では、「東北地方太平洋沖地震被災地でボランティアし
たいと思っている方へ」として、下記のページをを開設していますので、是非
参考にしてください。

■KVネット
http://www.kvnet.jp/
「東北地方太平洋沖地震被災地でボランティアしたいと思っている方へ」
http://www.kvnet.jp/touhoku_jishin.html

■大阪ボランティア協会スタッフ・ブログ
「東北地方太平洋沖地震被災地支援に関わられる企業のみなさまへ」
http://osakavol.blogspot.com/

■全国ボランティア・市民活動振興センター、全国社会福祉協議会 地域福祉部
の動きは下記からご覧いただけます。
http://blog.goo.ne.jp/vc00000/

被災地外からボランティアに今すぐにでも駆けつけたいと思っている方も多い
のではないかと思いますが、現段階においてはボランティアが現地で活動する
ことは難しい状況です。現在、大阪ボランティア協会の職員が「支援P(災害
ボランティア活動支援プロジェクト会議)」の一員として、現地視察に入って
いますので、徐々に何をしなければならないか、何ができるのかが明らかにな
ってくると思います。少し待ちましょう。
http://www.shien-p-saigai.org/ 

今私たちにすぐにできることのひとつに寄付がありますが、お願いがあります。
すでに寄付されていた方も多いのではないかと思いますが、それは「義捐(義
援)金」といわれるものだと思います。これは、災害などの被害を受けた人た
ちの救護・支援のための直接配分される寄付です。しかし、寄付には、現地被
災地等の支援団体を支援する「支援金(活動資金)」があります。今回の大災
害は被害規模、範囲等々を考えても支援がかなり長期化すると予想されます。
被災者への直接の支援もとても大切ですが、支援する組織・市民団体が、より
よいい支援を継続的にできるためにも、是非こちらへのご支援もよろしくお願
いしたいと思います。上記のボランティア協会のサイトで説明ならびに寄付先
が明記されていますので、参考にしてください。

■書く力、書く参加!『市民ライター通信』■
    編集:市民ライター通信編集委員会
    編集者:今村澄子 発行者:吐山継彦
http://www.melma.com/backnumber_100434/
E-mail: writer@f-ts.bb4u.ne.jp
by yamana-4 | 2011-03-20 14:00 | 東日本大震災 | Trackback | Comments(0)
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